■焼入れ(quenching)
鋼をオーステナイト組織の状態に加熱した後、水中または油中で急冷することによって、マルテンサイト組織の状態に変化させる熱処理です。日本刀を鍛える際に用いられる昔ながらの手段でもあります。
鋼の硬さを増大させる目的で行われるが、靭性が低下するので、粘り強さを得るために、焼入れ後には焼き戻し(tempering)を行うのが一般的であり、両者をまとめてQT処理と呼ぶことがある。 |
■焼き戻し(tempering)
焼入れによって硬化した鋼に靭性を与える目的で行われる熱処理で、マルテンサイト組織の状態から鋼を再加熱し、一定時間保持した後に徐冷する作業をいいます。再加熱後、保持する温度により組織の変化が異なり、摂氏600度程度で焼き戻すとソルバイト組織が、摂氏400度程度で焼き戻すとトルースタイト組織が得られます。焼入れ後、ソルバイト組織が出る温度で焼き戻す一連の工程を特に調質と言います。 |
■焼きなまし(annealing)
加工硬化による内部のひずみを取り除き、組織を軟化させ、展延性を向上させる熱処理をいいます。鋼をオーステナイト組織の状態で十分保持した後、炉中で徐冷します。
なお、核酸(DNA、RNA)を熱変性させたあと温度を徐々に下げて再結合させる操作を、これになぞらえて「アニーリング」と呼びます。また、塩基配列がわかっている1本鎖DNAもしくはPCR法によるプライマーとDNAの結合を指すことがあります。 |
■焼きならし(normalizing)
加工による内部のひずみを取り除いたり、組織を標準の状態に戻したり、微細化したりする熱処理である。焼きならしをすると、強度、延性が高くなる。焼入れの予備処理としても使われる。鋼をオーステナイト組織の状態で十分保持した後、空気中で十分に冷却する。
|
|
|